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円高に強いセクター、弱いセクター

 株式投資において円高になると強いセクターと弱いセクターは、円安のときに強いセクターと弱いセクターの反対になります。

 円高になりますと、輸出品は輸出先の通貨に換算すると値段が高くなります。価格競争力がなくなりますので、輸出企業は厳しい経営を強いられることになります。ですから、円高に弱いセクターは、輸出企業、具体的には自動車などの輸送用機器セクター、電気機器セクターなどになります。

反対に円高に強いセクターは、輸入企業になります。輸入品の価格が安くなるため、日本国内での価格競争力が増しますし、コスト削減も可能になるからです。

 ですから、電力やガスなどのエネルギーセクター、陸運セクター、海運セクターなどが円高に強いセクターといえます。

為替が安くなったり、高くなったりした場合に株価が大きく変動する会社の株式を、株式投資の世界では「為替感応度が高い銘柄」といいます。反対に、為替の動きにあまり強く反応しない銘柄は「為替感応度が低い銘柄」といいます。

為替感応度の低い銘柄は、株式投資の世界でいわゆる「内需株」といわれる会社の株です。内需株とは、主に国内中心に事業を展開している会社の株をいいます。電力やガスのように国内で事業を展開している会社も内需株ではありますが、燃料を輸入する必要のあるこれら業界は、内需株でも例外的に為替感応度の高い銘柄といえます。

為替感応度の低い内需株の典型は、銀行、小売店などのセクターです。銀行もメガバンクは海外子会社を持っていますし、小売店も大きなデパートなどは海外にも店舗を持っています。しかし、事業全体に占める海外事業の割合が非常に小さいため、内需株に位置付けられるのです。

内需株は、為替が乱高下して為替感応度の高い会社の収益が予想しにくくなっているような場合や、海外の景気が悪化した場合などに株式投資家の“避難先”という意味で買われることがあります。反対に為替の動きが円安、円高のどちらかに動く傾向がはっきりしているような場合や、海外の景気が良い場合には、内需株は売られることが多くなります。

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