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投資スタンスについて


 投資スタンスとは、株式投資をするうえでの基本的な姿勢のことです。人それぞれで、様々な投資スタンスがあります。

ただ、初心者の方には、株式投資を実際に行う前にまず最低限、決めておいていただきたいスタンスがあります。1番目は、株式投資にいくらまで投じることができるか、つまり、株式投資にかけられる資金の上限です。

何度も申し上げますが、株式投資は、すべて自己責任で行われます。利益を得られれば、すべて自分の利益になりますが、損をしても、自分ですべての責任を負わなければなりません。ですから、大切な生活費までを株式投資に振り向けて、損失を出して生活が成り立たなくなるような事態は絶対に避けなければいけません。

2番目は、短期売買か、長期売買か、ということです。つまり、保有する株式をいつまで持つか、ということになります。

これには、3つのパターンがあります。1つ目は、保有を長くて翌日までとする場合。株式投資では、「デイトレーダー」と言われるものです。2つ目は、6か月~1年程度は保有する場合。3つ目は、1年以上、保有する場合です。
 
デイトレーダーは、比較的少額の資金で1日に何度も売り買いを繰り返して、少額の利益を繰り返し得て行こうという株式投資スタンスです。例えば、午前9時30分くらいに株式を売り買いし、前場(午前中の市場取引時間)が終わる11時30分までにその取引をすべて手じまう(取引を精算する)といったことがよく行われます。

午前9時30分は、シンガポールなどで活動するヘッジファンドが日本株の取引に乗り出す時間帯です。ですから、株式投資が一番活発になる時間帯です。また、こういったヘッジファンドは、11時30分までに手じまうケースが多いのです。ですから、これらプロの動きに追随して利益を得るというスタンスになります。

株式投資で1年以上保有するケースは、その会社に心から惚れ込んだり、将来的には確実に収益を上げられるような技術のタネを持っていると確信した場合などで行います。

さらに、企業収益が非常に安定していて、株価が下がる恐れが極めて低い会社の株式でも行われます。配当を目当てにしているケースで、株式投資といっても、ほとんど利息の高い貯金のような感覚です。

半年から1年のケースは、本格的な株式投資といえます。比較的多額の資金を投じます。会社のファンダメンタル(収益を上げられる会社かどうか)、株式の流動性の2つをじっくりと調査したうえで、投資します。場合によっては、投資額の2~3倍の利益を得られるケースもあります。

投資指標について

 投資指標とは、株式投資をするうえで、投資しようとしている株がこれから値上がりするか、値下がりするかを予測するための道具(数値)のことです。株式投資の世界では、様々な指標があります。しかし、これらの指標のうち、「予測が絶対に当たる」といえるものは、存在しません。あくまで、予測の参考になるだけということを忘れないでください。

 投資指標のうち、これから株式投資を行おうという初心者が最低、心得ておきたいものだけをご説明します。PER、PBR、株式流動性、自己資本比率、売上高営業利益率などです。

 PER(パー)は、日本語では株価収益率といいます。1株当たりの純利益に比べて、実際の株価は何倍になっているか、を計算したものです。PERが10倍という株の場合、今の株価分の利益を会社が稼ぐためには、10年かかる、ということになります。

 この指標は、他の会社の株式のPERと比較することによって、はじめて意味が生まれます。ある株式のPERが他の株式のPERに比べて低い場合、その株価は割安と判断し、まだまだ上がる余地があると予想します。反対にPERが高い場合には、今後株価は上がりにくくなると判断します。

 PBR(ピービーアール)は、株価純資産倍率といいます。会社が持っている純資産(将来、誰かに返す必要のない資産)の金額と株価を比較した指標です。単位は「倍」です。

 PBRは1倍が基準です。PBRが1倍ということは、1株あたりの純資産の金額と実際の株価が同じ金額だということです。ですから、仮に会社が倒産して、清算した後も、株価と同じ金額が株主に戻ってくるという計算になります。

 PBRでは、1倍以下かどうか、ということを株式投資の際の判断基準にします。1倍以下ですと、株価は割安と即時に判断できます。1倍以上の場合は、PERと同じように、他の株式のPBRと比べて、割高か、割安かを判断します。

 株式流動性は、市場でその株式がどの程度、売り買いされているかを示す指標です。プロの世界では、1日の売り買いされた株式の数とそのときの平均の株価をかけて求めます。ですから、単は「円」になります。

 一般的には、最低、3,000万円以上ありませんと、自由に売り買いできないと考えられます。

 自己資本比率とは、会社が持っているすべての資産のうち、誰にも返さなくていいものがどのくらいの割合を占めているか、を示した指標です。高ければ高いほど、会社が持っている資産が「会社自身(=株主)のモノ」ということになり、倒産しにくいと判断できます。

 一般的には、自己資本が10%以下になりますと、かなり危険な会社と判断します。

 売上高営業利益率は、読んだとおり、売上に占める営業利益(本業で稼いだ利益)の割合です。高ければ高いほど、たくさんの利益を出せる会社と判断できます。

 一般的には、10%以上ならば、非常に利益を出せる会社と見てよいでしょう。

 なお、これら基本的な指標のなかで、株式投資で一番、重要なのは、PBRです。

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