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財務諸表分析

 株式投資での「株価変動要因について」で説明しましたが、株価変動要因のなかで第一に挙げられるのは、株式投資の対象となる会社におカネを儲ける力があるかどうか、つまり、ファンダメンタルということでした。これを確認する材料になるのが、上場会社ならば、必ず3か月に1回公表する財務諸表です。財務諸表分析とは、財務諸表を読み解いてその会社におカネを儲ける力がどの程度あるかを判断することです。

 財務諸表は、具体的には、損益計算書(P╱L)、貸借対照表(B╱S)、キャッシュフロー計算書があります。これらの他に、本腰を入れて株式投資をしたい方は、有価証券報告書に目を通すことをお薦めします。

 損益計算書は、会社が一定の期間、いくらおカネを儲けたのかが一目で分かるようにまとめた表です。売上から始まって、モノ作りのための材料費や、従業員の給料、税金など必要な経費をすべて支払って残ったおカネ(純利益)までをまとめています。

 損益計算書は、その会社が持っているおカネや、おカネを稼ぐために持っているモノがどの程度あって、それらをどうやって調達したのかが一目で分かるようになっている表です。いわば、会社の財産目録といったところでしょうか。

 キャッシュフロー計算書は、その会社が実際にいくらのおカネを持っていて、そのおカネをどのように使っているか、あるいは、預金しているかが分かる表です。

 株式投資をするときには、これら3つの材料を様々な角度から分析して、会社のおカネを稼ぐ力を見極めます。
 
 なお、有価証券報告書は、これら3つの財務諸表に加えて、会社の歴史や、役員がどのような人物か、どのような資産や子会社を持ち、誰が多くの株を持っているか、といったことが書いてあります。いわば、その会社のあらゆることが書いてある百科事典です。

 有価証券報告書は、その会社に関する百科事典ですので、厚い本になっています。ですから、これを隅から隅まで見るにはかなり労力を必要とします。実際の株式投資では、役員名簿、大株主(株をたくさん持っている人のリスト)、投資先リストなどを見ます。

なぜ、このような資料を見るかと言いますと、その会社のなかに非社会的な人物が関係していないか、会社が危険な会社に投資していないかなどを調べるためです。

さらに、大株主のなかに、非常におカネを稼ぐ能力のある会社があるかどうかを調べることも大切です。そんな会社が大株主に名前を連ねていたら、その会社の協力で収益を上げられる可能性が高くなるからです。

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